(925)井戸をつく音に目覚めし帰省かな/金子兜太(1919~2018年)
「故郷秩父にて」の前書きがある。戦局の影が忍び寄る1943(昭和18)年、帰省して久しぶりの生家の朝を全身で感じている。「つく音」ということから釣瓶(つるべ)井戸だろう。水をくんでいるのは母親か。桶(おけ)の落ちて響く音が懐かしい。兜太はこの後繰り上げ卒業し入隊、戦地へと赴く。俳人兜太の原点は、故…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。