(930)人殺ろす我かも知らず飛ぶ蛍/前田普羅(1884~1954年)
夏の夜を行く作者の姿です。人を殺す私かもしれないと不穏な心情が吐露されていますが、自分自身に距離を置き、客観的に書いているため不思議な感じがします。強い思いがあるのか、ぼんやりとした暗い気持ちを見つけただけか分かりませんが、私の傍らにいる蛍も蛍以外の全ての物も、この私が後ろ暗い気持ちを持っているこ…
関連リンク
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- ・(925)井戸をつく音に目覚めし帰省かな/金子兜太(1919~2018年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。