(932)明易の鴉のなかを掃きにけり/草子洗(1975年~)
夏は夜明けが早い。これを「明易(あけやす)」と言い、俳句では季題としている。夏は昼間になると暑いから、庭仕事やちょっとした屋外の仕事は朝に。夜が明ける午前4時を回ったころだろうか。人通りもなく、まだカァ、カァと鳴く鴉(からす)の天下。白々と明るんでくる空に夏を感じながらの、たった一人の一仕事だ。自…
関連リンク
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- ・(928)夏草やかつて人間たりし土/長谷川櫂(1954年~)
- ・(927)友達でふさがっている祭かな/田島健一(1973年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。