食と農を考える 石巻で講演会 東大・鈴木教授「1次産業の増産、総力を」
「食と農を考える講演会」が23日、石巻市開成のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)であった。東京大大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授(農業経済学)が講演し、「食料自給率の低迷は、子どもたちの命を守れるかどうかという問題。1次産業の増産に総力を上げなければならない」と訴えた。
鈴木教授によると、2023年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は、国全体で38%と低水準だった一方、都道府県別ではトップの北海道が223%、宮城が72%、東京が0%と偏りがあった。
「迫る 日本の食料・農業の危機」と題して講演した鈴木教授は「海外から食料を輸入できなくなれば、飢えるのは都市部からだ。農村のおかげで(都市部住民の)命が保たれている」と強調した。
5月に成立した改正食料・農業・農村基本法で、凶作や有事などの際に政府が穀物の増産を生産者らに指示でき、従わない場合の罰則も設けたことについては「今苦しんでいる農家を放置している」と批判。
その上で「地域で本物(安全で良質な食料)を作る農家とその価値が分かる消費者が支え合い、強い農業をつくる必要がある」と語った。実行委が主催し、農業や市関係者など約460人が来場した。
関連リンク
- ・鯨文化を世界へ 映画「鯨のレストラン」、監督ら舞台あいさつ 石巻
- ・「寄磯ソーラン」、石巻・高齢者施設で披露 児童2人が訪問し交流
- ・色彩模様いしのまき <緑> 桃生茶(石巻市桃生町)
- ・スマイルサポーター認定 石巻・前谷地の広伸建設、道路美化で地域貢献を
- ・「こがねはマルシェ」 雑貨や海産物加工品など50店舗 来月14日・石巻