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鯨文化を世界へ 映画「鯨のレストラン」、監督ら舞台あいさつ 石巻

 「鯨」を題材に石巻市鮎川浜などでロケしたドキュメンタリー映画「鯨のレストラン」(2023年、77分)が、28日から同市茜平4丁目のイオンシネマ石巻で公開された。初日は舞台あいさつがあり、八木景子監督らが鯨文化への思いを伝えた。観客は食料資源や環境問題に通じる捕鯨産業、鯨食文化の大切さを再認識した。

観客を前に鯨食文化などについて熱く語る(左から)伊藤、須能、鈴木3氏と八木監督

 舞台あいさつには八木監督のほか、伊藤信之さん(鮎川捕鯨社長)、須能邦雄さん(市水産振興協議会会長)、鈴木誠さん(木の屋石巻水産営業課長)と同市の水産業に関わる3人が登壇した。

 「捕鯨産業を守っていかなければならない」(伊藤さん)、「日本の自給自足のために捕鯨は大事。映画をきっかけに盛り上げたい」(須能さん)、「おいしい鯨商品を開発し子どもたちに普及させたい」(鈴木さん)とそれぞれの立場から語った。

 司会進行を務めた八木監督は、国際的な反捕鯨の動きを踏まえながら「今年に入ってフランス、インドで上映した。今後はアメリカでの上映を目指している。映画の力で捕鯨、鯨食文化を『輸出』したい」と意気込んだ。

 美里町の60代男性は「子どもの頃、鯨肉がよく食卓に上った。映画を見て、衰退した鯨食文化を再び盛り上げたいという思いが強くなった」と話した。

 29日も舞台あいさつがあり、斎藤正美石巻市長、映画に出演した谷光男さん(東京・神田、鯨料理専門店「一乃谷」大将)が駆けつけた。

 「鯨のレストラン」は鯨料理の魅力を伝えるだけでなく、環境・食料資源問題などを絡めて科学的視点から鯨食を多角的に捉えたドキュメンタリー映画。石巻での公開は八木監督が東日本大震災時、ボランティアとして被災地の石巻を支援したのが縁となった。

 上映は7月11日まで。

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