全国高校野球宮城大会 石巻勢3校、2回戦進出
第106回全国高校野球選手権宮城大会が6日、開幕した。8日は1回戦5試合があり、石巻市民球場で行われた石巻商と石巻西の石巻勢対決は、7-1で石巻西が勝利した。石巻好文館は仙台西と仙台市民球場で対戦し、5-14で七回コールド負けした。7日も1回戦8試合があり、石巻工が10-2で中新田を、石巻が21-7で登米総合産にそれぞれ勝ち、2回戦に駒を進めた。
2回戦はいずれも仙台市民球場で、石巻が13日午後2時から仙台城南と、石巻工は14日午前9時から東北と対戦。石巻西は同日午後2時から試合がある。
石巻勢の次戦は、涌谷・宮城水産・石巻北・迫桜・岩ケ崎の合同チームが9日午前11時半から、宮城広瀬と仙台市民球場で戦う。
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地元対決、石巻西に軍配
■1回戦(石巻市民)
石巻西 000210022-7
石巻商 000000010-1
(西)和泉、雁部-久保田
(商)梶原、工藤-千葉修
▽三塁打=久保田、和泉(西)▽二塁打=今野大、久保田(西)
【評】石巻西が快勝した。四回、高橋諒の左適時打などで2点を先取。五回は遊ゴロ間にリードを広げると、終盤にも加点して突き放した。主戦和泉は打たせて取る投球がさえた。石巻商は八回に阿部佑の中犠飛で1点を返すも、反撃が遅かった。
毎回安打も、好文館敗れる
■1回戦(仙台市民)
仙 台 西 2200604-14
石巻好文館 0010022-5 (7回コールドゲーム)
(仙)広谷、菅井-佐藤陸
(石)阿部匠、千葉隼、平塚-菅野
▽三塁打=小野寺3、佐藤陸(仙)阿部蒼輝(石)▽二塁打=佐藤陸(仙)阿部匠(石)
【評】石巻好文館はコールド負けを喫した。立ち上がりを攻められ、二回までに4失点。五回に打者一巡の猛攻を受けて6点を失うと、七回にも4点を追加され試合を決められた。打線は毎回の12安打を放ち5点を返す粘りを見せたが、及ばなかった。
<勝つ難しさ知る>
石巻好文館は3年ぶりの1回戦突破を果たせなかった。序盤と中盤の失点が重くのしかかった。主戦阿部匠は初回と二回にそれぞれ2失点。五回には代わった千葉隼が四死球で満塁のピンチを招くと、3番手平塚が三塁打を許し、突き放された。
大越監督は「大きな大会で雰囲気に飲まれ、詰めの甘さが出た。練習などを通して、選手たちにプレッシャーの中でプレーする機会を与えてあげられなかった」と悔しさをにじませた。
阿部蒼輝主将は「試合前から皆が緊張していた。守備でほころびが出るなど、1勝をもぎ取ることの難しさを感じた。後輩たちには打撃で勝負できるチームになってほしい」と思いを託した。
石巻工、8回2失点の好投
■1回戦(仙台市民)
石巻工 000011323-10
中新田 000000020-2
(石)伊藤、鈴木-早坂
(中)佐々木愛、浅野-佐々木汰
▽三塁打=岩槻、遠藤颯(石)▽二塁打=鈴木、木村(石)佐々木愛(中)
【評】中盤に流れをつかんだ石巻工が快勝した。互いに無得点の五回、1死二、三塁から岩槻の一ゴロの間に先制。六回は渥美の適時打で加点した。七回は岩槻と遠藤颯がそれぞれ三塁打を放つなどして3点を挙げた。投げては先発の伊藤が8回を2失点に抑えた。
<緩急の配球効く>
エースとしてマウンドに立った石巻工2年の伊藤は、七回までを無失点に抑え、流れを引き寄せた。本格的に投手の練習を始めてまだ1年。最速120キロの直球に変化球を織り交ぜ、緩急のある配球で相手を惑わせた。「ブルペンでは投球が乱れていたが、試合では安定し、リラックスして投げることができた」と振り返った。
2回戦の相手は、昨夏に1-6で敗北を喫した東北。メンバーは変われど、チームとしてリベンジに闘志を燃やしている。利根川監督は「1、2年生が多く若いチームだが、誰かが打つと流れをつかみ、いい打線になる。次戦もチャレンジャーとして思いっきり、のびのびとした野球で臨みたい」と話した。
石巻、九回ダメ押し10点
■1回戦(仙台市民)
石 巻 0012203310-21
登米総合産 060001000-7
(石)佐藤一、今野、千葉健、斎藤佑-千葉虎
(登)桜田、須藤、千葉樹、千葉悠、大槻-渡部真輝、渡部真澄
▽三塁打=千葉虎2、斎藤優(石)畠中、須藤、千葉樹(登)▽二塁打=千葉健(石)
【評】石巻が打線の粘り強い追い上げで逆転勝ちした。0-6で迎えた三回、2死三塁から捕逸で1点を返し、反撃を開始。6-7と1点差に迫った七回、斎藤優の適時三塁打などで3点を挙げ逆転した。九回は打者14人の猛攻で10点を追加した。
<努力の成果実る>
最大6点差を追い付く同点打を放った斎藤優。昨冬、軽打中心だった打撃フォームを、下半身を使って長打も狙える形に変えた。1日300回の素振りや階段ダッシュなどでパワーと精神力を強化してきた。
ただ、最近は1カ月前の練習試合でのヒットを最後に不振が続いていた。試合前、チームメートが「打てないのは分かっているから、期待してない」と愛のある言葉で突き放してくれ、肩の力が抜けたという。
七回、1点差に迫った場面で打席が回ってきた。低めの変化球をフルスイング。センターへの三塁打で同点にし、ベンチに向かってガッツポーズを決めた。「結果が付いてきてうれしい」。努力の成果を見せた。
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