(942)七夕の夜の到着ロビーかな/黛まどか(1962年~)
なんのことはない場面の説明です。7月7日の夜に、到着した待合室を示しています。到着ロビーという表現は空港でしょうか。夜の便ですから日中と比べて人影も少なく、静かな印象です。しかし季語である七夕を読み解くと、がぜん意味が深まってきます。織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が1年ぶりの逢瀬(おうせ)を重…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。