全国高校総合文化祭 出展・出場の石巻勢(4)吹奏楽部門 石巻好文館
高校生の芸術文化の祭典、全国高校総合文化祭(総文祭)が7月31日、岐阜県で開幕する。日ごろから研さんに励み、作品の出展や出場を決めた石巻地方の生徒らを紹介する。
(5回続き、次回は28日掲載)
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<向上心、豊かな音つくる>
単調にも思える基礎練習の音が放課後の部室に響く。息をはくスピードや口の形といった楽器を奏でる基本を大切に、互いに耳を澄まし、響き合う音を探って練習を重ねる。
石巻好文館高吹奏楽部が8月4日、初めての総文祭の舞台に立つ。例年、最大行事の全日本吹奏楽コンクールと日程が重なるため、総文祭には挑戦してこなかった。今年は日程の調整がつくため、昨年10月、選考会となったみやぎ高校吹奏楽祭に現2、3年生が挑み、県代表をつかんだ。
総文祭での演奏曲は吹奏楽で定番の「森の贈り物」と、アニメ映画「紅の豚」で使われた「ポルコ・ロッソ」の2曲。
目指すのは聴く人の心に響くサウンド。今春、1年生24人が入部し、部員は54人になった。100人以上の部員の中から部内選抜を経て出場する強豪校と違い、大編成の55人には達しないが、部長の3年千葉杏奈さん(17)は「全員で一つの目標に向かえる。新体制が始動した4月より、いい音になってきた」と手応えを語る。
平日は午後6時半までの約2時間、集中して練習する。一定の音を長く吹き伸ばすロングトーンといった基礎練習に多くの時間を割く。元顧問で現在は外部コーチの橋戸孝司さん(69)は「地道に努力する素直さが音に表れている」と評価する。
昨年の吹奏楽コンクールは東北大会金賞を受賞したが、全国クラスの演奏会は初めて。「ホールいっぱいに自分たちの音を響かせたい。一流の学校の姿勢を間近で学んでくる」と千葉さん。一人一人のたゆまぬ向上心が豊かな音色をつくり出している。
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