全国高校総合文化祭 出展・出場の石巻勢(3)書道部門 石巻3年軽部恵未さん
高校生の芸術文化の祭典、全国高校総合文化祭(総文祭)が7月31日、岐阜県で開幕する。日ごろから研さんに励み、作品の出展や出場を決めた石巻地方の生徒らを紹介する。
(5回続き、次回は21日掲載)
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<鋭利な筆致、重厚感忠実>
たくましく鋭利な筆致の約200文字がびっしりとならぶ。石巻高3年の軽部恵未(さとみ)さんが1日がかりで臨書したのは、中国南北朝時代の書家・朱義章の楷書「始平公造像記」(498年)。「力強く重厚感のある作品。文字の角がとがっている特長を意識した」と話す。
昨年10月に総文祭出展が決まった。「うれしさよりも驚きの方が大きかった」と振り返る。同級生や引退した先輩から祝福され、制作のモチベーションにつながったという。顧問の西塚昌子(しょうこ)教諭は「人柄が素直で純粋。書に対する真摯(しんし)な姿勢が今回の出展につながった」と評価する。
小学1年で書道を始めた。書き初めで賞をもらい「もっとうまくなりたい」と練習に励んだ。中学3年の時に書道から離れた時期もあったが、進学した石巻高で書道部のパフォーマンスを見て入部を決意。楷書の楽しさに気付いた高校1年の冬以来、ずっと楷書作品に取り組んでいる。
部では講師の千葉蒼玄さん(河北書道展企画委員)と千葉紅雪さん(同審査会員)の指導を受ける。2人のアドバイスで、始平公造像記の特徴の一つでもある文字周囲の枠を書いた。その際、折ったコピー用紙やティッシュペーパーを筆代わりにするなど、質感も近づけようと試みた。
総文祭を大切な成長の機会と捉えている。軽部さんは「全国から同世代の上手な人たちが集まる場。その人たちが、どんなことに気を付けて書に向き合っているのか話してみたい」と目を輝かせる。
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