(960)方舟(はこぶね)になれさうな木の茂りなる/松澤雅世(1953年~)
ノアの箱舟は、神が地上の争いごとを一掃しようと大洪水を起こす際に、正しい心を持つノアと動物たちを救うために作らせた船。神の意志はともかく、現代には物理的な大洪水だけでなく、さまざまな困難や問題が洪水のように押し寄せてくる。そんなときに、避難や救いを得られる箱舟のような場所が必要になる。夏木は力強く…
関連リンク
- ・(959)睡蓮(すいれん)を揺らす波その返し波/広渡敬雄(1951年~)
- ・(958)白玉にとけのこりたる砂糖かな/高浜虚子(1874~1959年)
- ・(957)星涼し電卓のもう進化せず/岡田由季(1966年~)
- ・(956)顔の汗大(おお)きてのひらに一掃す/加藤楸邨(1905~1993年)
- ・(955)虹に声奪はれし我ら虹仰ぐ/小川軽舟(1961年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。