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大川小遺族の佐藤さん監督映画、20日に上映会 石巻で3回目 参加無料

「春をかさねて」のワンシーン (c)Sonomi Sato
上映会参加申し込み用(地域活動推進課・募集&イベントページ)のQRコード

 石巻市大川地区出身の佐藤そのみさん(28)=東京都=が東日本大震災での体験を基に制作・監督した自主映画の上映会が、20日午前10時半から同市開成のマルホンまきあーとテラス(市複合文化施設)小ホールで行われる。みやぎ生協石巻ブロック主催。地元での開催を望む佐藤さんの願いを受け、2022年12月以来3回目の石巻開催を企画した。

 「ある春のための上映会~石巻市大川から震災を描いて~」と題して「春をかさねて」「あなたの瞳に話せたら」の2本が上映される。トークでは佐藤さんに作品への思いや石巻で上映することの意味などを語ってもらう。

 両作品は佐藤さんが日大芸術学部映画学科時代に手がけた。中学2年の時に津波で大川小6年だった妹を亡くした佐藤さん自身の葛藤が刻まれている。

 今夏、仙台市や柴田町で上映会を開いてきたみやぎ生協生活文化部(仙台市)は「震災から13年が過ぎた。風化させないためにも佐藤さんの作品を通して県民一人一人が災害と向き合うと同時に、震災について改めて考える機会になれば」と願う。

 佐藤さんは「地元の人に一番見てほしくて作った作品なので、上映の機会を新たに設けてもらってとてもうれしい。石巻の人たちに必要とされる作品になるよう、これからも活動に力を入れたい」と話す。

 参加無料。定員300人。希望者はQRコードまたはファクス=022(218)3663=で申し込む。受け付け後に入場券を送る。問い合わせはみやぎ生協生活文化部022(218)3880=月-金曜午前9時半~午後6時、祝日除く=。

■劇映画「春をかさねて」(2019年、45分) 
 震災直後の大川地区を舞台にしたフィクション。震災で妹を亡くした14歳の少女の内面を見つめた作品で、佐藤さん自身の体験が重ねられている。キャストやエキストラには石巻市の俳優や大川地区の住民が多数、出演している。

■ドキュメンタリー映画「あなたの瞳に話せたら」(19年、29分) 
 児童・教職員84人が犠牲になった大川小にまつわるドキュメンタリー。震災から8年半が過ぎた19年12月に撮影。友人や家族を亡くした当時の子どもたちがあれから何を感じ、どのように生きてきたかを、それぞれが故人にあてた手紙を織り交ぜながら震災と向き合う。佐藤さん自身、妹に宛てた手紙を読む。

「ある春のための上映会」~石巻市大川から震災を描いて~ | みやぎ生協イベントひろば

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