(976)もう夢は出涸(でが)らしのよう盆の波/茜崎楓歌(1999年~)
お盆のころに押し寄せる高波を「盆の波」という。永遠とも思えた夏休みも終わりが見える。時の流れが急に早まる夏休み終盤は、晩年意識の予習と言えるかもしれない。そして死に遠い若者にとって、睡眠は死に最も近…
関連リンク
- ・(975)冷房を止めて残りの頁(ページ)読む/星野高士(1952年~)
- ・(974)盆の家虻(あぶ)の翅音(はおと)の親しさも/木附沢麦青(1936~2022年)
- ・(973)ふるさとに焦げて西瓜の種飛ばす/塩見恵介(1971年~)
- ・(972)旅終へてよりB面の夏休/黛まどか(1962年~)
- ・(971)雲の峰赤子の顔のふと険し/如月真菜(1975年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。