(981)ふくしまをわけあふやうに桃を剥(む)く/千葉信子(1930年~)
句集の解説によると、作者は太平洋戦争末期に、祖父の出身地である福島県浪江町に疎開していた。現在は他県に住んでいるが、その第二の故郷のような地が、東京電力福島第1原発の爆発により避難を余儀なくされ、心…
関連リンク
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- ・(976)もう夢は出涸(でが)らしのよう盆の波/茜崎楓歌(1999年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。