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子ども食堂で朝食を 石巻・中里に来月2日オープン 小学生から大学生まで無料

飲食スペースの壁にしっくいを塗る森さん(左)と子どもたち
ひのこ子ども食堂が入る建物。入り口横のキッチンカーで食事を手渡す

 不登校や学力低下を招く生活習慣の改善をサポートしようと、朝食を無料で提供する「ひのこ子ども食堂」が石巻市中里4丁目(石巻年金事務所隣)にオープンする。9月2日の開設を目指し、準備を進める代表の森美聖(みさと)さん(29)は「勉強や好きなことに集中できるように、毎日朝ごはんを食べてほしい」と話す。

 ひのこ子ども食堂は月~金曜(祝日を除く)の午前7時~8時半に開業。おにぎりやみそ汁、副菜を提供する。会社事務所だった建物の一部(約40平方メートル)を飲食スペースとし、駐車場のキッチンカーで調理された料理を利用者が受け取り食事できるようにする。小学生から大学生までは無料で、大人も有料で利用できる。

 食材や運営資金は地元農家や企業・個人などの協力を受け、資金的な余裕が出てきたら下校時間も運営したいという。地元企業と連携した勉強会なども企画していく。

 岩沼市出身の森さんは仙台市在住時にフリースクールなどでボランティア経験があり、社会人になってから大学で心理学を学んだ。石巻市への引っ越しを機にまちについて調べた際、小中学生の不登校の状況や、学力が全国と県の平均を下回っている現状を知った。

 不登校の継続や学力低下につながる生活習慣の乱れや無気力な状態を改善してもらうためにも、朝食を食べる習慣が付いていない子どもらに食事を提供しようと開設を決めた。

 11日には市内の子どもたちや保護者ら約50人が参加し、飲食スペースの壁にしっくいを塗る作業を行った。参加者たちがゴム手袋をした手で塗ると、真っ白い壁が完成した。

 森さんは「朝ごはんを提供する所は県内でも少なく、必要な子どもたちに届けたい。みんなが集まってごはんを食べ、自分のやりたいことを実現できるきっかけの一つになれればうれしい」と語る。

 連絡先は森さん080(6037)2600。

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