女川原発・再稼働交付金 全額、県事業に 県、UPZ5市町に説明
東北電力が11月ごろを目指す女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働に関し、原発から5~30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に入る東松島など5市町は23日、県に対し、再稼働時に国から受け取ることができる交付金を5市町に配分するよう要望した。県側は、交付金全額を避難道路整備関連の県事業に充て、5市町を交付対象としない方針を示した。
交付金は「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金」。東松島、登米、涌谷、美里、南三陸の市町長らが県庁を訪れ、5市町を代表して渥美巌・東松島市長が伊藤哲也副知事に要望書を手渡した。
渥美市長は、原発事故に備えた安全対策整備による負担増や、中国電力島根原発(松江市)が立地する島根県がUPZ関係自治体に手厚く交付金を配分していることを説明し、5市町への配分を求めた。これに対し伊藤副知事は「再稼働の影響がより大きい女川、石巻で優先的に活用すべきと考えている」と語り、交付が見込まれる10億円全額を両市町での県事業に充てる方針を示した。
同交付金は、県が地域振興計画を策定した上で国に申請する。具体的な計画の策定は原発の再稼働後に行う。県企画総務課によると、両市町を通る国道398号などの避難道路整備に向けた交差点改良、河川改修といった事業費にすることを想定している。
5市町は、核燃料税交付金の配分見直しについても要望。配分増を求める5市町に対し、伊藤副知事は「それぞれの行政需要を見定めながら、どのような配分の在り方が必要か一緒に検討していく」とした。
要望後、渥美市長は報道陣の取材に「ゼロ回答は非常に残念だが、決定権は県にあるので仕方ない」と述べた。核燃料税交付金については「今後も県に(配分増を)しっかりと要望していく」と述べた。
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