「廃校活用し防災体験」 関西大生、プログラムを考案 石巻市へ提案
関西大(大阪府)で、起業を目指す学生向けの教育プログラム「HACK-Academy」に参加する1、2年生計9人が18~22日、石巻市の廃校に泊まりながら東日本大震災の震災遺構や防災施設を訪れた。廃校を活用した防災体験宿泊プログラムの実現可能性を探り、市に提案した。
学生たちは期間中、市震災遺構「門脇小」などを見学。東松島市旧野蒜小を改修した防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」では、スタッフから簡易担架作りやロープワークを教わった。
2021年に閉校した石巻市旧門脇中の校舎に宿泊し、就寝時には段ボールベッドを使った。
体験を通して3人一組でプログラムを考案、21日に同市防災センターで斎藤正美市長ら市幹部に発表した。南海トラフ巨大地震の被害が予想される地域の防災リーダー、修学旅行の高校生らを対象に、廃校で避難所体験をしたり停電した環境で移動訓練をしたりするアイデアを紹介した。
少子化に伴う学校の統廃合により廃校になった校舎の利活用が課題になっている。斎藤市長は「それぞれの視点でアイデアをいただき、ありがたい。プログラムを通じて、震災の惨状や復興、市の魅力を発見できるといい」と述べた。
仙台市出身の社会安全学部1年伊藤大地さん(19)は「いろんな体験が防災につながると思う。他地域から石巻市に来てもらうために生かしてほしい」と話した。
活動は同大と石巻市の出版社「口笛書店」が実施した。
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