(983)鍋底のことさら昏(くら)しあまのがわ/増田まさみ(生年不詳)
天の川と鍋底の暗さをとり合わせた一句です。夏の終わりから秋にかけては、天の川銀河が最も美しく見える時季です。光の粉をまいたように星々が密集し、大きな星の流れが夜空に現れます。一方で、深さのある鍋をの…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。