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陶磁器がアクセサリーに 工房・彩クルー開業、希プロジェクトを継承 石巻・渡波

工房で販売されるネックレス、ピアスなどの陶磁器アクセサリー
彩クルーの工房。陶磁器アクセサリーを手作業で作る

 震災復興で石巻市に立ち上げた陶磁器アクセサリー作りの「Nozomi Project」〔希(のぞみ)プロジェクト〕が昨年12月で終了し、事業を継承した「Hikari Crew」〔彩(ひかり)クルー〕が今月20日、石巻市渡波で開業した。代表の日妻ちえみさん(51)=同市渡波=は「技術の継承と、本来の役目を終えた陶磁器に新たな命を吹き込む仕事に魅了され創業した」と強調する。

 彩クルーは、希プロジェクト設立当初からのメンバーである日妻さんと、勝又恵美さん(45)=同市須江=の2人が手作業で商品を作る。今年はネックレス(4500円)、ピアス(4000円)、クリスマスオーナメントをメインに製造、販売するという。

 陶磁器は市民の厚意で寄付された物を活用する。希プロジェクトでは震災でがれきに埋もれた陶磁器を拾い集め洗浄して使用。地元の人から寄付された陶磁器も利用した。日妻さんは「工房を見学しながら商品を購入できる。手に取って見てほしい」とPRする。

 ネット販売を準備中で、今後、海外での販売も予定する。子育てや介護で時間に限りのある女性の雇用を目指す。

 彩クルーの開業に当たっては、石巻産業創造(石巻市開成)がサポートし、県の創業支援補助金を活用した。廃棄される陶磁器などに新たな価値を与え、アクセサリーにアップサイクルする創業で、持続可能な開発目標(SDGs)につながる取り組みとなる。

 工房の所在地は石巻市渡波下榎檀142の6。連絡先は彩クルー0225(90)4024。

◇Nozomi Project(希プロジェクト) 
 復興支援活動に携わるため、神戸市から石巻市渡波に移住した宣教師の高本スーさんが2012年10月に設立。地元の女性ら35人を雇用し、11年間に7万1000点以上の商品を製造。世界50カ国以上へ販売し、売上高は累計2億円を超えた。昨年12月、創業者の高本さんが家族で米国に帰国し、プロジェクトは終了した。

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