(994)鹿鳴いて峠に星のあつまりぬ/亀井雉子男(1946年~)
「鹿」が秋の季題。つがいを求めて鳴く声の物寂しさが本意(詩語としての本質的意味)とされている。現在では害獣として駆除されるので、作者には、従来とは少し違った意味でも、物悲しく聞こえているのかもしれな…
関連リンク
- ・(993)西瓜切る少年兵のいない国/神野紗希(1983年~)
- ・(992)火のなかのものよく見えてちちろ虫/大木あまり(1941年~)
- ・(991)秋来ぬと目にさや豆のふとりかな/大伴大江丸(1722~1805年)
- ・(990)山あげの街水清し山清し/鈴木美江子(1939年~)
- ・(989)よく歩く野分の雲と思ひつつ/森賀まり(1960年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。