自身のブランド発信 埼玉出身の上原さん、女川に期間限定店 29日まで
JR女川駅前のテナント型商店街「シーパルピア女川」で29日まで、期間限定ショップ「ポップアップストア」が開設されている。オーナーは26歳。全国を月単位で巡りながら、自らデザインした衣類を販売している。自身が手がけるファッションブランド「RomaN(ロマン)」。「いつかは有名ブランド、ルイ・ヴィトンを超える」と意気込む。
埼玉県出身の上原竜馬さんは今月6日、シーパルピアの一角に店を開いた。昨秋まで「うたごえ喫茶」があった場所。午前9時~午後7時(火、水曜は午後5時まで)は店におり、29日まで客に対応する。
店にはテレビドラマ「GTO」に出演していた俳優の反町隆史さんがドラマ内で着ていたTシャツにヒントを得たという星がプリントされたシャツなど20~30種類の衣類を並べる。
女川に出店する前には福井にいた。今年1月に静岡県浜松市をスタートし、埼玉、茨城、千葉、岐阜、新潟、福井を月単位で回り、各地でファンを獲得してきた。次の出店場所を選ぼうと、宮城のショッピングモールや道の駅に声を掛けたところ、一番返答が早かったのが女川だったという。
■車中泊で全国巡る
各地での販売を決意したのは昨冬。「固定店にはその県の人しか集まらない。ルイ・ヴィトンを超えるには外に出て、多くの人に広めよう」と、アパートを引き払い、車中泊をしながら全国を回り始めた。
上原さんは高校をすぐに退学。ファッションに興味を持ち古着店を巡るようになった。静岡の町並みに関心を抱いて18歳で単身移り住み、同県富士市の古着屋で働き始めた。
元々、ファッションデザイナーになりたかったという。「自分の人生をひっくり返したい」と独学でデザインの勉強や高卒認定試験を受け、21歳でブランドをつくり、昨年2月に店を辞めた。
当初は大型ショッピングモールに掛け合っても相手にされなかった。街中にラックを置いて販売し、小規模のショッピングモールや貸店舗などを期間限定で回り実績を作ってきた。その後、大型モールで店を借りることができたという。
「初めは自分の熱意が相手に伝わらず悔しかったが、さまざまな人たちの協力もあって未来を切り開いてきた」と自信を深める。
■地域に溶け込む
女川での生活は後1週間。「商店街の人、地元の人がとにかく温かい。今では他店の人と平日にどうにぎわいをつくるかなどを語り合う日もある」と、すっかり地域に溶け込んだ様子。
「気に入ったら買ってもらえばいい。服を見てもらい、紆余曲折(うよきょくせつ)ある自分の半生も知ってもらいたい」。最後までざっくばらん、一切、気負いはなかった。
(大谷佳祐)
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