(1010)穂薄(ほすすき)や丸く眠れば山の夢/大木あまり(1941年~)
秋の野原や土手、路傍のあちこちに、背丈ほどにも伸びたススキが寄り集まって生えています。ススキの穂は緩いカーブを描いてしなだれ、光を受けて銀色に輝いています。少し経つと白い綿毛になって、また味わいが変…
関連リンク
- ・(1009)鉦叩(かねたたき)風に消されてあと打たず/阿部みどり女(1886~1980年)
- ・(1008)愛惜を荷作りせよと虫そぞろ/山中葛子(1937年~)
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- ・(1005)比良坂へ桃を放りて長生す/柿本多映(1928年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。