「冬のボーナス」少し物足りなく 宮城・石巻でアワビ漁始まる
宮城県石巻市北上町十三浜などで、今季初めてのアワビ漁があった。十三浜の大指漁港での水揚げは前年より3割減の約160キロで、冬のボーナスとして期待した漁業者には物足りなさが残った。
9日午前5時半ごろ、大指漁港から漁船約20隻が漁に出た。箱メガネで海底をのぞき、カギが付いた4メートル前後のさおでアワビを採った。地元の水産加工業「マルナカ遠藤水産」の遠藤俊彦代表(50)は「身はそこそこだが、アワビの量が少ない。最後の開口みたい」とため息をついた。
今季の取引価格は10キロ当たり平均約5万2000円。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物禁輸の影響が出た前年と同水準で、2022年の価格から3割ほど落ち込んだ。
県産アワビの水揚げは近年、高水温や磯焼けなどの影響で減少している。ワカメなどを養殖する遠藤さんは「自然相手のため仕方ない。今後に期待したい」と話した。漁は12月末まで続く見込み。
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