(1048)寒光の万のレールを渡り勤(つと)む/鈴木六林男(1919~2004年)
群作「吹田操車場」の冒頭句です。かつて国鉄の頃は、操車場で列車の編成や車両の入れ替えが行われていました。冬の寒々とした光を返す無数のレールの上を人々が行き交い、昼夜を徹した作業がなされていたのです。…
関連リンク
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- ・(1043)肥前しぐれて光体となる壺(つぼ)の群/佐川広治(1939年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。