鳥インフル、石巻で発生 殺処分17万2000羽 東北の養鶏場で今季初めて
県は10日、石巻市の養鶏場で死んだ鶏を遺伝子検査した結果、高病原性の鳥インフルエンザが確認されたと発表した。今季の養鶏場での発生は東北では初めて。県は飼育されている肉用鶏約17万2000羽の殺処分を始め、13日に終える予定。埋却や消毒を含めた防疫措置は16日にも完了する見込み。
県は発生地の半径10キロ圏内にある養鶏場5戸の約29万5000羽について搬出を禁止した。いずれの養鶏場も異常は確認されていない。環境省は10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定、県が死んだ野鳥などが増えていないかパトロールを行う。
約17万2000羽の殺処分は、県内では2016年に栗原市で発生した際の約22万羽に次いで過去2番目に多い。
県によると、石巻市の養鶏場で8日に36羽、9日に175羽の肉用鶏が死んだ。同日午後に「死んでいる鶏が増えている」と養鶏場から通報を受け、簡易検査を行って陽性が判明。10日の遺伝子検査でも陽性が確認された。国の遺伝子検査の結果、「H5亜型」のウイルスが検出された。
県は10日午前、来県していた庄子賢一農林水産大臣政務官との意見交換会と防疫対策本部会議を開いた。庄子政務官は「原因究明のための疫学調査チームの派遣を考えている。必要に応じて人や資材の整備を進める」と述べた。
村井嘉浩知事は本部会議で「国や関係機関、団体などと十分に連携を図りながら防疫措置を取る。県民には不安を与えないよう迅速で正確な情報提供をお願いしたい」と指示した。