(1053)来年も去年も遠し返り花/遠藤由樹子(1957年~)
11月の小春日和に、草木が本来の時季とは異なって咲かせる花が、返り花。帰り花とも書く。主として桜。梅や梨、躑躅(つつじ)などにも見られる。咲いても満開ということはなくて青空が透けて見えるのが寂しい。…
関連リンク
- ・(1052)あの部屋にいまは誰住む枇杷(びわ)の花/井出野浩貴(1965年~)
- ・(1051)巻き尺を出し切り冬の川に沿う/和田悟朗(1923~2015年)
- ・(1050)牡蠣旨(かきうま)しそのほかはそれほどでなし/橋本小たか(1974年~)
- ・(1049)「シャツ裏ですよ」もう少し夫婦でいたい/鈴木和枝(1944年~)
- ・(1048)寒光の万のレールを渡り勤(つと)む/鈴木六林男(1919~2004年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。