(1049)「シャツ裏ですよ」もう少し夫婦でいたい/鈴木和枝(1944年~)
たった1行の俳句だが、ある老夫婦の物語が見えてくる。シャツを表裏逆に着てしまう夫をサポートする妻は、こんなささいな出来事をいとおしく思っている。「もう少し」から、夫の老化が進んで、二人の生活はもうそ…
関連リンク
- ・(1048)寒光の万のレールを渡り勤(つと)む/鈴木六林男(1919~2004年)
- ・(1047)小文字aを真赤と決めて毛糸編む/加根兼光(1949年~)
- ・(1046)黄落や人形は瞳(め)を開けて寝る/堀井春一郎(1927~1976年)
- ・(1045)君の絵の裸木の奥通りたり/河東碧梧桐(1873~1937年)
- ・(1044)水鳥やむかふの岸へつうい〳〵/広瀬惟然(1648?~1711年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。