(1056)風呂吹(ふろふき)や母に一本顎の髭(ひげ)/石井稔(1958年~)
風呂吹き大根がおいしい季節になってきた。練り味噌(みそ)や柚子(ゆず)味噌をかけて、熱いのをふうふうと吹きながら食べる。冬の味覚の一つだ。一心に吹いている母上だが、そんなに丁寧に熱を冷ましているとい…
関連リンク
- ・(1055)ヨルダンの岸の焚火(たきび)の濃かりけり/有馬朗人(1930~2020年)
- ・(1054)立冬のひかりを攫(さら)ふ器かな/宮本佳世乃(1974年~)
- ・(1053)来年も去年も遠し返り花/遠藤由樹子(1957年~)
- ・(1052)あの部屋にいまは誰住む枇杷(びわ)の花/井出野浩貴(1965年~)
- ・(1051)巻き尺を出し切り冬の川に沿う/和田悟朗(1923~2015年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。