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平和・友好を誓い合う 女川湾で戦死のグレー大尉を追悼 カナダ艦乗組員も参列

慰霊碑を囲んで記念写真に納まる参列者

 太平洋戦争末期に女川湾で戦死したカナダ海軍パイロット、ロバート・ハンプトン・グレー大尉=当時(27)=の追悼式が26日、女川町地域医療センター敷地内の記念碑前であった。カナダ海軍のフリゲート艦「オタワ」の乗組員や在日カナダ大使館、町の関係者ら約30人が参列し、両国の平和と友好を誓い合った。

 参列者は記念碑に、戦没した軍人の追悼を目的に着用される造花「リメンブランス・ポピー」を献花し、慰霊した。

 アドリアノ・ロザー艦長は「日本とカナダ両国はかつて敵国だったが、今は固い友情で結ばれている。地元の人ではないグレー大尉を平和の象徴としてくれていることに感謝し、今後もこの関係を続けていきたい」と語った。

 グレー大尉は1945年8月9日、女川湾で旧日本軍の攻撃を受け、第2次世界大戦でカナダ人最後の戦死者となった。記念碑は89年に女川湾を見下ろす崎山公園に建立。東日本大震災で被災後、町民有志らが2012年、医療センター敷地内に再建した。

 グレー大尉の追悼式は毎年9月に行われている。オタワは22日から海上自衛隊横須賀基地(神奈川県)に寄港しており、乗組員らの要望があったことから、本年度2度目の追悼式開催となった。

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