道の駅「東松島」オープン ブルーインパルスも祝福 物販、飲食にぎわう
東松島市の道の駅「東松島」が27日、三陸沿岸道上り線矢本パーキングエリア(PA)隣接地に開業した。県内19カ所目で、市内では初めて。初日から多くの利用者でにぎわった。
開業式典には関係者約100人が訪れ、新たな観光拠点の門出を祝った。市の航空自衛隊松島基地の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」の飛行に合わせ、関係者がテープカットした。
名誉駅長となる渥美巌市長は「極めてハードルの高い事業だったが無事に開業して感無量。市のシンボルとして末永く愛される施設になることを祈る」とあいさつした。
物販や飲食エリアから成る鉄骨2階の地域振興施設1棟、平屋の道路休憩施設、コンビニ各1棟がある。地域振興施設2階には展望デッキを構え、訓練飛行するブルーインパルスを眺めることができる。1階の観光案内エリアで仮想現実(VR)でも楽しめる。
市の第三セクター東松島観光物産公社が指定管理者となる。年間の売り上げ目標は7億円、来客は100万人を目指す。総事業費は約23億円。農林水産省の農山漁村振興交付金約2億1500万円など一部に国の補助金を充てた。
営業は1階の物販エリアが午前9時~午後7時、展望デッキを含む2階の飲食エリアが午前11時~午後7時。
NTTドコモが250万円を寄付し、広場の遊具などの購入費に充てられた。
<オープンに長蛇の列>
待ちわびた住民や利用者が施設前に長蛇の列を作った。店内は初日から物販や飲食を楽しもうという客でにぎわいを見せた。
来場客の多さから、運営者は15分繰り上げて、午後0時45分に開店させた。石巻地方の特産品や土産が並ぶ1階の物販エリアは入場規制が設けられた。客は店内に入ると、買い物籠を手に提げながら品定めした。市内にある航空自衛隊松島基地の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」のグッズ販売もあり、大勢のファンで盛況だった。
知人と2人で訪れた仙台市若林区の会社員藤原希(めぐみ)さん(52)は、ブルーのデザインがあしらわれた道の駅限定のハンカチやぬいぐるみなどを購入した。展望デッキから市街地を眺め「施設がきれいで眺めもいい。この場所からブルーを見るのが楽しみだ」と話した。
東松島市赤井から訪れた新聞配達員の40代女性は「こんなに人が来るとは予想していなかった。これからは野菜などを買いに来たい」と語った。
<交通アクセスに課題>
道の駅「東松島」の周辺道路は午後1時のオープン前から、来場者の車などで混雑し、駐車場は開放後まもなく満車になった。三陸沿岸道下り線から訪れる場合は、矢本インターチェンジ(IC)でいったん三陸道を降りる必要があり、アクセスの分かりにくさから混乱を招いた。
午後0時半の駐車場開放を前に、一般道には来場者の車が連なった。市道百合子線には1キロを超える渋滞ができたほか、交差点の南北にも車が列を作った。一般道から入ることができる道の駅の駐車場137台分は約15分で満車になった。
利用者ではない車も渋滞に巻き込まれ、市交通安全指導隊員らは、駅が隣接する三陸道上り線矢本パーキングエリア(PA)の駐車場での誘導、市街地への案内に追われた。
仙台方面から訪れた客の多くは「高速道路を降りてから駐車するまで30~40分かかった」と口をそろえた。仙台市宮城野区の自営業大野輝久さん(55)は駐車までに1時間を要したという。「楽しみにして来てみたが、このアクセスの悪さでは駄目だ。二度と来ないかもしれない」と苦言を呈した。
市は下り線の矢本PAと道の駅を結ぶ連絡歩道橋などの整備を関係機関に働きかける考えを示している。
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