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復興支援を基に友情描く 兵庫の森田さん、絵本寄贈 子どもたちに伝えたい

表紙の見本を手に記念撮影する斎藤市長(左)と森田さん

 東日本大震災の復興支援活動を石巻地方などで続ける任意団体「桜梅桃李(とうり)の会」の森田和彦代表(60)=兵庫県三木市=が、被災地への訪問を重ねる中で感じたことや見たことを基にした絵本「ずっと いっしょだよ」を製作した。交流のある石巻市桃生中文化部の生徒たちが挿絵を手がけた。市内の小学5、6年生全員に行き渡るように、市に2200冊を寄贈する。

 森田さんは震災後、津波に負けずに開花した石巻のヒマワリの種を、兵庫県で広める活動などに取り組む。

 絵本はA4判のカラー30ページで、4000冊を製作。中学校の野球部で投手を務める和也を主人公に、バッテリーを組む捕手の友樹との友情を描く。

 2人は大の仲良しだったが、友樹は同級生をかばったことでいじめの標的にされ、和也は見て見ぬふりをする。その後、友樹は3月11日の津波で帰らぬ人に。和也は友人を亡くした悲しみと、自分もいじめられるのを恐れて助けられなかった後悔を乗り越え、野球部のある会社への就職を実現。友樹の仏前に報告し、故郷を旅立つ。

 作中には石巻市や南三陸町に似た地名や校名のほか、同市の石巻南浜津波復興祈念公園にある「がんばろう!石巻」看板をモチーフにした看板も登場する。

 11月29日に市役所を訪れた森田さんは「震災を忘れないでほしいという思いと、大変な思いをした皆さんだから、困っている人に優しく手を差し伸べてほしいという思いをつづった。子どもたちに伝えられたらうれしい」と話した。

 斎藤正美市長は「震災を風化させず、自分の命は自分で守るよう心がけてほしいと思っている。石巻をずっと支援し、絵本を寄贈してもらえるのはありがたい」と感謝した。

 絵本は同市のほか、女川町に100冊、南三陸町に200冊を贈る。

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