石巻市、3月11日を授業日に 2026年から 慰霊行事、児童生徒の参加1割
石巻市教委は、市立学校、幼稚園を休業日にしている3月11日の「みやぎ鎮魂の日」を、2026年から授業日に変更することを決めた。東日本大震災の慰霊行事に児童生徒が参加しやすいように休みとしてきたが、昨年行事に参加したのは全体の1割にとどまっていた。変更後は各校で震災に関する授業を実施し、記憶や教訓の伝承に生かす考え。
3月11日は県が2013年4月、条例でみやぎ鎮魂の日に定めた。震災の犠牲者を追悼し、記憶の風化防止や後世への伝承、震災復興を祈ることなどを目的とする。市は14年から休業日に設定した。
市教委は今年3月、市内の小学4、5年、中学1、2年生を対象に独自のアンケートを実施。昨年のみやぎ鎮魂の日をどのように過ごしたかを調べた。
当日の行動を6項目から選択(複数回答可)。「慰霊行事などに参加した」は10.0%にとどまった。一方で「何もせずに家で過ごした」「何もせずに外出した」などの回答は計38.3%だった。「サイレンに合わせて黙とうした」は74.6%、「伝承施設や遺構を訪れた」は3.5%だった。
学校安全推進課の担当者は「行事に参加するには保護者の協力も必要。鎮魂の日が平日の場合もあり、参加が難しい状況が考えられる」と話した。
授業日への変更は10月の市教委定例会で決めた。担当者は「3月11日だからこそできる防災の学びを学校で提供してもらうことで、これまでよりも鎮魂の日の趣旨に沿うことができる」と説明した。
市によると、鎮魂の日制定時点で、沿岸部の市町村で休業日に設定していたのは石巻市のみ。
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