子どもの健康づくり、食でサポート 商品開発、医療と水産関係者がタッグ 女川
肥満の割合が高い女川町の子どもの健康な体づくりをサポートしようと、町内の医療と水産の関係者がタッグを組んだ。町地域医療センターの医師らと若手経営者らでつくる女川水産加工研究会がプロジェクトを立ち上げ、地元の水産資源を活用した無添加の「だし」と「ふりかけ」を開発した。15日に町海岸広場で開かれる「おながわ水産まつり」で初めて販売する。
きっかけは文科省の2022年度学校保健統計調査の結果だった。町の小中学生の肥満率は中学2年男子が33.3%(全国平均12.2%)、女子が25%(9.1%)など、全国平均を大きく上回っていた。現状を憂慮したセンターの鈴木綾子医師(47)が、地元の水産物を生かして現状を変えようと、加工研の鈴木伸輔会長(39)に協力を持ち掛けた。
今年6月ごろに「おながわ健康ごはんプロジェクト」を発足。センターの医師や栄養士が健康面を、加工研の加工業者や養殖業者が素材の調達や製造を担い、全国有数の水揚げ量を誇るサンマの中骨などを使った「女川いつも元気だし」と、加工の際に廃棄されてしまうホタテの貝柱を粉末にした「サステナホタテやわらかふりかけXO醤(じゃん)風味」を開発した。
鈴木医師は肥満の割合の高さについて「食事や塾の前にお菓子をたくさん食べる子が多く、食生活の乱れが原因にある」と分析。「だしとふりかけは添加物を含んでいない。正しい食生活を心がけるきっかけにしてほしい」と願う。
プロジェクトは子どもの肥満率を全国平均以下にすることを目標に活動を続ける。子どもの料理教室やレシピコンテストの開催を町に提案する計画。
加工研の鈴木会長は「子どもの食生活を支えるのは大人の役目。地元の水産物に関心を持ってもらい、家族で正しい食事について考えてほしい」と話した。
商品はいずれも100グラム入りで、だしが648円、ふりかけが540円。水産まつり以降は町中心部のスーパー「おんまえや」などで販売する。
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