(1074)祖母の家畳とたんすと蜜柑(みかん)の香/田嶋千聖(生年不詳~)
「祖父母」ではなく「祖母」であるところも「たんす」「蜜柑」とよく響き合っている。畳の匂い、石油ストーブの上で湯気を立てているやかん、たんすを開けたときの独特の匂いなど、いろいろな身体感覚が思い出され…
関連リンク
- ・(1073)跳箱(とびばこ)の突き手一瞬冬が来る/友岡子郷(1934~2022年)
- ・(1072)待つといふ刻のときめき冬薔薇(ふゆそうび)/櫻井利子(1930~2018年)
- ・(1071)あらはれて見えよ芭蕉の雪女/野々口立圃(りゅうほ)(1595~1669年)
- ・(1070)信仰のたとへば島の木守柿/岩岡中正(1948年~)
- ・(1069)おとなしくねむらうか雪降りはじむ/櫛部天思(1967年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。