(1078)焚火(たきび)かなし消えんとすれば育てられ/高浜虚子(1874~1959年)
焚火をする機会は昔より少なくなりました。それでも農作業で枯れ草を燃やす煙や、初詣の神社で暖を取る大きな焚火が、今も私の身近にはあります。掲句では消えそうな火に燃料がくべられ、また炎が大きくなりました…
関連リンク
- ・(1077)詩に痩(や)すも詩を勿(な)痩せさせ藥喰(くすりぐひ)/高橋睦郎(1937年~)
- ・(1076)抱けばすぐ氷つてしまふことがある/小川双々子(1922~2006年)
- ・(1075)なにもかも手放してゐる大枯木/木暮陶句郎(1961年~)
- ・(1074)祖母の家畳とたんすと蜜柑(みかん)の香/田嶋千聖(生年不詳~)
- ・(1073)跳箱(とびばこ)の突き手一瞬冬が来る/友岡子郷(1934~2022年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。