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「第三の男」愛した地元映画人、故稲井さんをしのぶ 石巻名画座で上映会、演奏も

映画のワンシーンを背景に「第三の男」のテーマ曲を演奏する石巻マンドリーノの4人=15日、シアターキネマティカ

 石巻名画座が14、15の両日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカでイギリス映画「第三の男」(1949年)を上映。この映画を愛してやまなかった石巻の映画人・稲井峯弥さん(1930~2022年)をしのんだ。

 稲井さんは中央3丁目にあった元石巻テアトル東宝(1940年開館、2000年閉館)支配人で、生前「140回は見た。目標は150回」と豪語していたほど「第三の男」の大ファンだった。

 26日が命日に当たり、三回忌を迎えるため、第11回作品として「第三の男」を2日間で計5回上映した。2日目の午後1時の回終了後には石巻マンドリーノの小杉公美代表ら4人が「第三の男」のテーマ曲や稲井さんとの思い出深い曲を演奏した。

 小杉さんは「私たちの定期演奏会は今年21回目だったが、稲井さんは発足当初から応援してくれた。コロナ禍で活動に迷っていた時も励ましてくれた」と改めて感謝した。

 石巻を拠点にする俳優の三國裕子さんは観客の一人として駆けつけた。「若い頃、テアトル東宝で『第三の男』を見た記憶がある。オードリー・ヘップバーンを好きになったのも稲井さんのおかげ。東宝は外国映画の窓口だった」と懐かしがった。

 石巻名画座の本庄雅之代表(65)は「テアトル東宝閉館のラストショーが『第三の男』だった。もしかしたら稲井さんも客席から見ていたかも」と語った。

 2日間の上映会には往年の洋画ファンが多く詰めかけ、「第三の男」とともに映画人生を歩んだ稲井さんに思いをはせた。

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