(1089)かさなるや雪のある山只(ただ)の山/野沢凡兆(?~1714年)
遠方の雪山、近くの雪のない山が重なって見える。遠くの山はきっと高く険しい霊峰で、重なっている近いお山の方は、心理的にも親しみやすい里山だろうか。「只の山」という捉え方が面白く、雪のお山の神聖な印象が…
関連リンク
- ・(1088)朝日から鳥の出てくる寒さかな/加藤かな文(1961年~)
- ・(1087)絶壁へ冬の落日吹きよせられ/富澤赤黄男(1902~1962年)
- ・(1086)選ばない方の男と温め酒/牧野冴(1993年~)
- ・(1085)星満ちて地にはこぼれずクリスマス/相馬遷子(1908~1976年)
- ・(1084)雪嶺に鏡の奥といふところ/井越芳子(1958年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。