「声のプロ」、米コンテストで活躍 石巻出身のフリーアナ阿部さん、最終選考進出
石巻市出身のフリーアナウンサー阿部未来さん(39)が、世界中のナレーターや声優が競う米国のコンテストで、最優秀賞を決める最終選考に進出した。今月上旬、米ロサンゼルスであった授賞式とナレーターなど「声のプロ」の会議に参加。「声で表現する技術を海外で評価された手応えを感じ、最新の世界標準を学ぶことができた」と自信を深めた。「世界三大漁場 石巻市」と背中に大きく書かれた法被で参加し「いしのまき観光大使」の役割も果たした。
コンテストは、米国の業界団体「SOVAS」が主催する「ボイスアーツアワード」。今年で11回目を迎え、世界各地から1200人が応募した。阿部さんは日本語の「テレビ/ウエブCMナレーション部門」に応募。最終選考の6人に残った。8日の授賞式で最優秀賞は逃したが、実力の証明となる「ノミニーバッジ」を受け取った。
授賞式前に3日間開催された会議では、世界各国のナレーターやディレクターらと積極的に交流。石巻市の法被を着たり、参加者に着せたりしながら、英語の観光パンフレットを配布して石巻をPRした。宮城県の知名度は高くはなかったというが、参加者に金華山の美しい景観やシカの群れを紹介すると、多くが関心を寄せたという。
阿部さんはラジオ石巻やtbcラジオ、Date fmで番組を担当するほか、イベント司会やCMのナレーターなど幅広く活動。昨年からは日本語学習教材や留守番電話の音声など海外の企業・団体から仕事を請け負うようになり、視野を広げようと初めて同コンテストに応募した。
帰国後の取材に「声の仕事に携わる海外のプロの仕事への向き合い方、人工知能(AI)とナレーションの関係、差別化などたくさん学ぶことができた。これからも地元宮城から、世界中に声で貢献できるように精進したい」と話した。
SOVASは2013年に設立された非営利の声優およびナレーション専門家協会。ニューヨークに本部を置き、トレーニングや教育、雇用機会の創出などの活動を展開している。
関連リンク
- ・観光大使にラジオパーソナリティー阿部未来さん 石巻市、委嘱状を交付(2024年10月17日)
- ・2024ニュース回顧 取材ノートから > 衆院選宮城4区、安住氏圧勝 「裏金」前面、戦術が奏功
- ・石巻、女川魚市場・2024年実績 水揚げ量、前年下回る 金額は下げ幅小さく
- ・アコヤガイ、石巻・竹浜で生息確認 県、真珠養殖挑戦に意欲 関係者「壁は高い」
- ・アイヌ資料収集に焦点 「毛利コレクション」特集展で講座 石巻市博物館