アコヤガイ、石巻・竹浜で生息確認 県、真珠養殖挑戦に意欲 関係者「壁は高い」
石巻市竹浜でアコヤガイの生息が確認されたことが分かった。温暖化を背景に、村井嘉浩知事が県内での真珠養殖に言及しているが、関係者は「光は見えたが壁は高い」と動向を注視している。
県が23日に公表した。石巻市の漁師が10月23日、竹浜の養殖ガキに付着していた二枚貝を見つけ、同市の県水産技術総合センターに持ち込んだ。日本真珠振興会(東京)にDNA鑑定を依頼したところ、天然のアコヤガイと判明した。
竹浜での発見以降、県内各地でアコヤガイが見つかった。センターは同市の牡鹿半島南部や南三陸町沿岸で採種され、持ち込まれた30体以上を飼育している。大きさは10センチ前後に育っている。
同市田代島の海水温は今年1~3月、平均13度以上と例年より5度高い。アコヤガイの耐性水温の下限ははっきりと分かっていないが、黒潮に乗って北上し、同海域で越冬して1年以上成育したとみられる。
これまで分布の北限は千葉県房総半島沖とされている。センターは今後、県内での詳細な生息分布や水温耐性などを調べる。
発見した漁師江刺寿宏さん(53)は「高水温でカキが多く死滅し、今年の売り上げは例年の半分ほど。真珠養殖に期待したいが、宮城の海に適応できるかどうか。設備や担い手など壁は高く、10年と長い目で見る必要がある」と話した。
真珠養殖を巡っては、村井知事が6月の定例記者会見で「5~10年後を考え、真珠の養殖にチャレンジするよう指示した」と話した。
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