(1090)くらやみを年来つつあり峠の木/綾部仁喜(1929~2015年)
「年が来る」とは新年がやって来るということ。昔は日の出が新年のスタートでしたから、そのまま夜明けを待つ気持ちとも重なります。まだ日の光の届かない真っ暗闇の中ですが、新年は刻々と近づいているはずです。…
関連リンク
- ・(1089)かさなるや雪のある山只(ただ)の山/野沢凡兆(?~1714年)
- ・(1088)朝日から鳥の出てくる寒さかな/加藤かな文(1961年~)
- ・(1087)絶壁へ冬の落日吹きよせられ/富澤赤黄男(1902~1962年)
- ・(1086)選ばない方の男と温め酒/牧野冴(1993年~)
- ・(1085)星満ちて地にはこぼれずクリスマス/相馬遷子(1908~1976年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。