(1100)枯れ芦の日に日に折れて流れけり/高桑闌更(1726~1798年)
水面に反射する日差しは弱いが、低いゆえにまばゆい。冷たい川風も吹いているのだろうか。この句の眼目は何といっても「流れけり」だろう。「日に日に」流れた時間、あっという間の季節の移りを見事に捉えている。…
関連リンク
- ・(1099)茶の花に押しつけてあるオートバイ/飯島晴子(1921~2000年)
- ・(1098)飛ぶ鳥の胸の輝き冬芒(すすき)/金箱戈止夫(1928~2020年)
- ・(1097)松とりて常の旭(あさひ)となりにけり/立羽不角(1662~1753年)
- ・(1096)庭園のすべてを聴きて日向ぼこ/阪西敦子(1977年~)
- ・(1095)恵方へとひかりを帯びて鳥礫(つぶて)/佐藤鬼房(1919~2002年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。