(1120)春立つと縄を解いてあげにけり/市堀玉宗(1955年~)
冬の季語に「冬囲(がこい)」がある。厳しい風雪から樹木を守るため藁(わら)で囲ったり縄で縛ったりする。枝木が折れないように支柱を立て縄で補強する「雪吊(つり)」もその一種。掲句は立春を過ぎ、その縄を…
関連リンク
- ・(1119)子が触れたがる豆撒(ま)きの父の桝(ます)/鷹羽狩行(1930~2024年)
- ・(1118)あれはねえ あれは雪見だいふくの たましい/外山一機(1983年~)
- ・(1117)生徒より下手な筆の字木の芽冷/益永孝元(1943~2017年)
- ・(1116)ラグビーの頬傷ほてる海見ては/寺山修司(1935~1983年)
- ・(1115)雑炊に魚の骨の透けてをり/加藤右馬(1990年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。