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「夢に向けて行動を」 カヌースプリント日本代表・永沼選手、母校の二俣小で講話

メダルを見せたりサインを書いたりするなど母校の児童と交流する永沼選手(右)
母校の児童に夢に向かって努力する大切さを語る永沼選手

 カヌースプリント日本代表の永沼崚選手(30)=永沼・石巻市=が7日、母校の石巻市二俣小(児童121人)で講話を行った。競技や五輪にかける思い、人生観について語り、児童らが努力の大切さなどを学んだ。

 永沼選手は同校の第58回卒業生。「夢に向けて挑戦すること-パリ五輪出場を目指した日々」と題した講話は総合学習の一環で、5、6年生計40人が参加した。

 永沼選手はカヌーの魅力について「水の上で自然を感じながらできるのが楽しい」と紹介し、自身が出場した大会の動画も上映した。

 パリ五輪出場をかけたアジア予選カナディアンペア男子500メートル決勝で、宿敵であるカザフスタンのペアに1.526秒差で惜敗したレースを振り返り「頑張ってきたが、結果は2位だった。今は、2028年のロス五輪出場に向けて練習している」と語った。

 その上で「夢を見つけたら、自分に何ができるのか考え、行動してみてほしい」と強調。これまでの選手生活を振り返りながら「夢は1人ではかなえられない。地域の人や先生、いろんな人が支えてくれる。手助けしてくれる人への感謝を忘れずに頑張ってほしい」とエールを送った。

 質疑応答では、モチベーションを高める方法や、小学生でもできる体力の付け方、小学校時代の思い出などの質問に答えた。

 6年生は本年度、総合学習で自身の将来像について考え、調べるなどしている。永沼選手の講話後に学習成果をまとめ、5年生に向けて発表する予定。

 野球選手を目指している6年の坂本安優さん(11)は「(アジア予選の)金メダルにはわずかに届かなかったけれど、全力を尽くしたという話に感動した。自分も最後まで諦めずに努力したい」と感想を述べた。

 永沼選手は現在、高知県での強化合宿に参加している。3月末に香川県で海外派遣選考会があり、その後も国際大会などへの出場を予定している。取材に対し「初心に返って(カヌー競技について)考えることができた。子どもたちに勇気を与えたいと思っていたが、逆にパワーをもらった」と笑顔で話した。

 永沼崚(ながぬま・りょう)選手、1994年3月石巻市生まれ。二俣小、河北中卒。石巻商高でカヌーを始め、立命館大、ユアテックを経て2021年から実家のガソリンスタンド経営会社「永沼」に所属。24年度ナショナルチームのメンバーとして、石川県小松市を拠点に競技活動を行っている。

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