(1130)すみれそよぐ生後0日目の吐息/神野紗希(1983年~)
生まれたばかりの赤ちゃん。懸命に呼吸しているこの命が立てる息の音は、小さなスミレの花をそよがせるくらい。それを見ていると、病院のベッドの上も、まるでスミレのそよぐ原っぱのように感じられる。大人になる…
関連リンク
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- ・(1128)燗酒(かんざけ)やいつもどこかにあるいたみ/細谷喨々(1948年~)
- ・(1127)薄氷のまはりの水に流れあり/染谷秀雄(1943年~)
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- ・(1125)刻印のかすかな最中(もなか)冬椿(つばき)/村上瑠璃甫(1968年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。