(1127)薄氷のまはりの水に流れあり/染谷秀雄(1943年~)
薄氷。「ウスライ」あるいは「ウスラヒ」と読む。早春の頃の薄く張った氷を言う。冬に厚く張った氷と違い、すぐに解けてしまう。池か、水だまりか。ひょっとすると湿地帯か。張った氷が解け始め、その周りにかすか…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。