閉じる

渡波海水浴場、今年も休止 砂浜に貝殻、利用も減少傾向 石巻市

昨夏に続いて開設中止が決まった渡波海水浴場=2024年5月

 石巻市は、遊泳環境が悪化しているとして昨夏開設を見送った市渡波海水浴場について、今夏も休止することを決めた。砂浜に大量のカキ殻が漂着しており、利用者数も減少傾向にあるため。6日の市議会産業建設委員会で明らかにした。そのほかの市内4カ所の海水浴場(白浜、網地白浜、十八成浜、荒浜)は開設する予定。

 渡波海水浴場は2023年夏の開設期間中、魚の死骸が大漁に漂着した。海水温の上昇による酸欠などが主な原因と考えられ、フグなど計約1400匹が打ち寄せられた。多い日は300匹に上った。

 このため24年度も遊泳環境悪化の懸念があり、東日本大震災と新型コロナウイルスの影響で利用者数も落ち込んでいるとして、休止を決めていた。

 同日の産業建設委で市観光政策課の担当者は「昨夏現地調査した際は、魚の死骸がだいぶ減っていたが、カキ殻や貝殻が砂浜を埋め尽くし、はだしで歩くのは危険と判断した。猛暑で市内の海水浴場の入り込み数が減少傾向にあるのも踏まえ、費用対効果も勘案した」と説明した。

 渡波海水浴場は震災の津波で被災し、遊泳場所を移して18年度に再開。新型コロナウイルスの感染拡大で20、21年度は再び休止に追い込まれた。22年度に再オープンしたものの、入り込み数は22年度3115人、23年度3583人で、震災前(10年度)の7783人から半減した。

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ