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茶道学び郷土愛育む 宮城・山元の坂元小6年生が、町指定文化財「大條家茶室 此君亭」で体験学習

茶室で茶の湯を体験する児童

「昔の人の気持ち想像し、味わった」

 山元町坂元小(児童77人)の6年生14人が、学校近くにある町指定文化財「大條(おおえだ)家茶室 此君(しくん)亭」の由緒を知り、茶道に触れた。体験学習会で、町教委の担当者から江戸時代に地域を治めた伊達家重臣の大條家と茶室の歴史を教わり、郷土文化への愛着を深めた。

 茶室は1832年、大條家15代当主の道直が12代仙台藩主伊達斉邦(なりくに)から拝領して仙台城下に建てられ、1932年に現在地に移築された。学習会は、建物が東日本大震災などで受けた被害の修復工事を終え、昨年11月に一般公開が始まったことから実施された。

 講師役の町教委生涯学習課の山田隆博学芸員(44)が6年生の教室で、江戸期の学校周辺の地図を示して「茶室は(大條家が居城とした)蓑首(みのくび)城の三の丸跡に立ち、坂元小は二の丸跡に位置する」と説明。「県内で江戸期から残る茶室はここにしかなく、宮城の宝となる貴重な文化財だ」と強調した。

 児童は茶室に移動して茶道の礼儀作法を学び、抹茶と和菓子を味わった。お点前を披露した元坂元小校長の渡辺美由紀さん(62)=亘理町=は「傷みが激しかった建物が使えるようになってよかった。子どもたちにとって、今回の体験が卒業前の良い思い出になるといい」と語った。

 初めて茶室内に入ったという三宅彩乃さん(12)は「柱の木に古さを感じた。昔の人の気持ちを想像しながら、おいしく抹茶を味わった」と笑顔で話した。体験学習会は7日にあった。

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