土葬って「不衛生」? 日本が火葬文化になったワケ<かほQチェック>
宮城県が宗教上の理由で土葬を必要とする人向けに検討中の土葬可能な墓地の整備に関し、ネット上では「日本が火葬文化になった歴史を勉強していない」などといった指摘が相次いでいます。国内で火葬が普及した経緯をまとめました。
<調査対象>宮城県が検討する土葬対応の県営外国人墓地について、主にX(旧ツイッター)上で拡散されている主張(「土葬は不衛生だから火葬が増えた」「土葬で感染症が流行する」など)
【Q1】土葬は不衛生だから火葬が増えた?
公益財団法人「東京市町村自治調査会」が2015年にまとめた報告書によれば、国内で火葬が普及した大きな理由は、各地の都市化が進んだことで墓地不足が懸念されたことが主な要因とされ、衛生面が大きく問題視されてきたわけではありません。
国内で火葬文化が浸透するまでには変遷があり、転換点は明治時代にさかのぼります。
土葬が主流である「神道」の国教化政策を推し進めていた明治政府は1873年、「火葬禁止令」を出しました。当時は遺体を焼いた煙をそのまま外に放出していたため、「火葬…
関連リンク
- ・「日本で土葬はできない」ってウソ?ホント? ムスリム対応で物議…ネット情報の真偽を調べる<かほQチェック>
- ・土葬墓地の整備 村井宮城県知事と議会の議論は平行線をたどる
- ・「土葬」で考える多文化共生 宮城から寛容な議論を<県議会を振り返って>
- ・土葬可能な墓地整備 宮城・村井知事「それぞれの人が望む弔い方に対応する必要ある」
- ・ムスリム土葬墓地問題 東北は困難、遠方で埋葬 <眠りの地 どこへ(上)ため息>