河川氾濫に備え「タイムライン」 東北の市町村、作成進度に差

 氾濫の恐れがある中小河川を抱える市町村に国が策定を求めている時系列の避難行動計画「タイムライン」について、東北6県で対象となる157市町村のうち、8割近くが既に作成した一方、2割未満の県もあるなど進度に差が生じていることが各県への聞き取りで分かった。
(治水のゆくえ取材班)

 タイムラインは市町村による避難所開設や避難情報発令、住民が避難を準備するタイミングなどを災害の段階に応じて時系列で整理した計画。大雨時に氾濫する可能性がある洪水予報河川や水位周知河川に指定された都道府県管理河川沿いの各市町村に、国土交通省が2020年度までの作成を求めている。

 東北での作成状況は表の通り。青森、宮城、秋田、山形は対象市町村の全てで作成済みだが、岩手は約71%、福島は約17%にとどまる。

 福島県河川計画課は「昨年10月の台風19号豪雨などで多発した被害への対応に追われ、特に小規模自治体で予定通りに進んでいない」と説明。20年度までに作成できない可能性があるという。

 岩手県河川課は「対象全市町村で20年度内に完了するよう国、県、市町村でつくる協議会などを通じ、取り組みを進める」と強調する。

 台風19号豪雨では市町村が避難情報を発令するまで時間がかかったり、発令後も風雨が強まるまで住民が避難しなかったりしたケースがあった。タイムラインは、こうした課題の解消にも有効とされる。

 16年8月の台風10号豪雨による洪水で、岩手県岩泉町では逃げ遅れた高齢者施設入所者9人が犠牲になった。これを教訓に国交省は17年に取りまとめた緊急行動計画で、タイムラインの作成を柱の一つにした。

 全国では昨年11月末時点で対象1180市町村の約6割に当たる732市町村が作成済み。国交省河川環境課は「20年度末までに作成してほしい。地方整備局からの技術的助言など必要な支援をする」と、市町村に早期作成を促す。

 国管理河川についてのタイムラインは東北を含む全国730市町村全てで作成を完了している。

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