大胆に住宅を集約したはずの移転先が、出だしから課題に直面している。
宮城県山元町が内陸に整備した3カ所の集約先の一つ、JR常磐線坂元駅周辺。既存の町並みに組み込む形で被災者の住まい112戸を設けた。
町は副都心と位置付けるものの、少子化を受けて2021年3月末に坂元中(生徒52人)が消える。町北部の山下中(203人)と再編して21年度から山元中となり、校舎は山下中を使う。坂元地区では「事実上の吸収合併」との見方がくすぶる。
坂元中PTA会長の岩佐奈々さん(41)は「残せるなら母校を残したい。ただ、部活動や学校行事を考えれば再編は仕方がない」と複雑な胸中を明かす。
自身が通った四半世紀前は1学年約80人。最後の卒業生となる長女(15)の学年は11人にとどまる。
坂元地区では、震災で全壊した保育所の再建もかなわなかった。町は今年2月、人口推計などを基に再開しない方針を表明した。
直前の1月下旬、地元8行政区の正副区長、選出町議の計22人でつくる坂元地区行政連絡調整会議が保育所の建設を要請した。15年度に再建を求める請願が町議会で採択された経緯もあったが、地元の訴えは退けられた。
山元町は1955年の「昭和の大合併」で山下村と坂元村が合併して生まれた。震災前に7対3だった山下と坂元の人口比は現在、8対2に開いた。
震災前1万6700だった人口は、震災の犠牲者637人を除き約4000人減った。減少率は県内3番目に高く、打撃は津波被害が大きい坂元地区でより深刻だ。
19年2月、坂元駅前にオープンした農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」がにぎわう一方、鮮魚店や文具店などが相次いで店を閉じた。坂元小(児童84人)も8年後をめどに他の3校と再編される。
「商店や子どもが減り、地域の衰退を肌で感じる」。坂元駅周辺を含む町地区の区長星幸夫さん(76)は危機感を募らせ、町に地域へのてこ入れを求める。
もう一つの移転先となった宮城病院周辺の桜塚地区(82世帯)。被災者有志が移転前から世話人会を発足させ、コミュニティーの円滑な始動に心を砕いてきたが、出はなをくじかれた。
16年8月、世話人会代表の鈴木裕一さん(61)が、合戦原地区(105世帯)の自治会に桜塚地区全員の入会を申し入れた。両地区は国道6号を境に東西に向かい合う位置にある。
「一気に80世帯も受け入れられない」「高齢化で担い手がいない」。受け入れの可否を問う合戦原住民のアンケートが行われ、反対43、賛成35で、両地区の合流は否決された。
桜塚は17年3月、独自に自治会を設立した。鈴木さんは「想定外の結果になったが、桜塚単独での活動に支障はない」と言う。
17年度に就任した合流推進派の合戦原区長橋本憲夫さん(68)は毎年度、事業計画の冒頭に「桜塚との融合」を掲げる。「桜塚とのわだかまりを解消したい。一緒に力を合わせて活動できないか」と思案する。
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