「復興再考」第6部 まちづくり(インタビュー) 東北大大学院教授・姥浦道生氏 需要見極め規模決定を

[うばうら・みちお]東大大学院博士課程満期退学。東北大大学院准教授を経て20年4月から現職。専門は都市・地域計画。国土交通省都市局の東日本大震災市街地復興事業検証委員を務める。富山市出身。

 東日本大震災の市街地復興は、人口減少の局面で進められた。ゼロからのまちづくりの教訓は何か。都市計画に詳しい東北大大学院の姥浦道生教授(46)に聞いた。

 -復興計画にコンパクトなまちづくりを掲げた被災自治体が少なくなかった。
 「行政コストからすると推進した方がいいが、漁業など経済活動から見ると、分散的な方がいい場合もある。重要なのはコンパクトかどうかではなく、まちの持続性だ」

 -宮城県山元町は、集約先からさらに第2段階の機能集約に動いている。
 「それは復興ではなく平時のまちづくりだ。慌てる必要はなく、住民とじっくりとメリット、デメリットを議論しながら、将来を見据えてやっていくべきだ」

 -陸前高田市は土地区画整理事業で整備したかさ上げ地に住民が戻らず、広大な未利用地が生じている。
 「住民に被災した記憶が大きい上に、事業の長期化で意向が変わって難しかった。岩手県大槌町では多くの災害公営住宅を整備するなどして土地利用を図ったが、陸前高田は人口流出を懸念して一日も早い住宅再建が最優先だったのだろう」
 「今回の震災は、これまでの災害に比べて住宅を自力再建する際の支援が手厚くなり、まちの再建とのバランスが困難だった。一方で利便性は良く、未利用地の活用の可能性はある」

 -被災した公共施設が相次いで復旧している。
 「復旧しないという判断は、平時から議論していないと難しい。これからは、平時から公共インフラの中長期的な維持管理を広域的に考えていく必要がある」

 -市街地整備の教訓は。
 「土地の所有権に基づき、元通りの規模に整備すれば建物が建つという人口増の時代ではなくなった。今後の災害で全額国費負担は見込めないはずで、需要に見合った規模を整備したり、まちの利用をメーンに考えたりする発想の転換が必要だ」
 「そのためには早い段階から丁寧な意向調査が重要だ。土地区画整理や(被災した土地を買い取る)防災集団移転など事業の特徴をうまく組み合わせ、規模を適正化する工夫も求められる」

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 東日本大震災は命、暮らし、教育、社会の在りようを根底から問い直した。私たちが目指した「復興」とは何だったのか。政府の復興期間の節目となる震災10年に向け、その意味を考えたい。

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